2016-06-03

窓ぎわのトットちゃん

トットちゃんが通っていた小学校の校長先生は、ダルクローズの学校でリトミックを勉強されたかたで、小学校の教育に取り入れてみようとしたのは、その小林先生が初めての方なんだそう。


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「リトミックってどうゆうものですか?」という質問に、小林先生は、こう答えた。


「リトミックは、体の機械組織を、さらに精巧にするための遊戯です。
 リトミックは、心に運転術を教える遊戯です。
 リトミックは、心と体に、リズムを理解させる遊戯です。
 リトミックを行うと、性格が、リズミカルになります。
 リズミカルな性格は美しく、強く、すなおに、自然の法則にしたがいます。」


(中略)


校長先生は、子供たちの、生まれつき持ってる素質を、どう、まわりの大人たちが、そこなわないで、大きくしてやれるか、ということを、いつも考えていた。だから、このリトミックにしても、


「文字と言葉に頼りすぎた現代の教育は、子どもたちに、自然を心で見、神のささやきを聞き、霊感に触れるというような、官能を衰退させたのではなかろうか?
(中略)
 世に恐るべきものは、目あれど美を知らず、耳あれども楽を聴かず、心あれども真を解せず、感激せざれば、燃えもせず・・・・・・の類である。」
などと嘆いていた校長先生が、きっと、いい結果を生むにちがいないと授業に入れたものだった。


    黒柳徹子著 「窓ぎわのトットちゃん」より


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昔、読んだような読んでないような・・・そんなトットちゃんだったけど、図書館にいって、ふと引き寄せられたのも、何かの縁。大人になった今、読んでみてとてもよかった。


忘れたくない言葉なので、ここに記録。